投資の勉強の一環として企業分析にハマっている(笑)。
今回はフィットネスクラブ「ホリデースポーツクラブ」などを展開する東祥の売上高や利益率などをチェックしたいと思う。
東祥はどんな会社?
ビジネス小僧にとっては<フィットネスクラブを運営している会社>というイメージだったけど、実は始まりは東和建設株式会社という名前で建設業がメインだったそうだ。
そこから不動産業、ゴルフ練習場の運営と事業を展開していき、その後、ホリデイスポーツクラブを出店してスポーツクラブ事業も開始したという流れ。
東祥の現在の事業は主に3つで
- スポーツクラブ事業
- ホテル事業
- 不動産事業
だそうだ。
スポーツクラブ事業
まず業界全体の傾向を見ると、フィットネス業界(スポーツクラブ業界)は2013年ごろから緩やかに成長が続いており、日本全体の参加率も4%を超えてきている。
2013年には4,000億円だった市場規模も2019年には4,939億円(フィットネスビジネス:日本のクラブ業界のトレンド2019年版参考)まで増加してきている。
業界全体でアップトレンドだ。
このフィットネス業界において、東祥はスポーツクラブ事業として「ホリデイスポーツクラブ」を全国で97店舗(20年6月時点)運営している。
このスポーツ事業の売上が東祥の売上高の中で最も大きな割合(20年3月期で約56%)を占めていて、主力事業と位置付けている。
20年3月期決算では売上高194億円だ。
出店は地方が中心で、店舗数が97店舗もあるのに東京には2店舗しかない。
ホームページも若者向けの最先端というイメージではなく、幅広い年代(特に高齢者の方)にとって親しみやすい雰囲気がにじみ出ている。
ホリデイスポーツクラブは他のフィットネスクラブに比べて
16歳以上の大人に特化した会員制スポーツクラブとして、「大人の健康」をキーワードに「遊ぶ・楽しむ・フィットネス」を基本コンセプトとして、地域の皆様の健康づくりやリラクゼーションの場所を提供しております。
とあるように<楽しいフィットネスクラブ>というイメージがビジネス小僧にはある(単純な印象だけれども)。
これは今やっているかわからないけど、レッスン前の館内放送がユニークだという話も聞くし、会員さんを楽しませることに注力している印象だ。
このスポーツ事業にゴルフ練習場2店舗の運営も含まれている。
ホテル事業
ホテル事業は「ABホテル」の名称で愛知県中心に27店舗(20年3月31日時点)を運営しているそうだ。
ちなみにABホテルはABホテル株式会社が運営しているけど、このABホテル株式会社は2014年に東祥から独立して出来た会社だ。
現在は東祥の連結子会社になっている。
ホテル事業の売上は約63億となっていて、全体の売上高の18%強を占めている。
不動産事業
不動産事業は「A・City」等の名称で愛知県内に賃貸マンションをを53棟2,066室(20年3月31日時点)を運営している。
不動産事業の売上高は19年3月期までは全体の6%~7%あたりだったのに、20年3月期は約87億円で全体の25%まで上がっている。
でもこれは賃貸マンションを子会社の東祥リート投資法人に売却した売上が大きいので、
「めちゃくちゃ成長している!」
というわけではなさそうだ。
東祥の売上高や利益率の推移は?
だいぶ長くなってしまったけど、肝心の東祥の売上高と利益率の推移をチェックしたいと思う。
売上高の推移
東祥の2015年~2020年の売上高の推移は下図のような感じだ。
2015年から2020年にかけて売上高は成長を続けているのがわかる。
グラフだと単位がわかりにくいけど、2015年時点で168億円だった売上高が2020年には344億円と約2倍まで上がっている!
創業したてのベンチャー企業なら売上高が倍々で上がっていくのはよくあるけど、東祥は1979年創業だ。
40年以上の歴史がある中で過去5年で売上高2倍の成長はすごい!とビジネス小僧は思う。
もちろん、2020年は不動産の売却益が数十億あるから、実質2倍弱ぐらいの成長かな。
ただ2021年は新型コロナウィルスがフィットネス業界に大打撃を与えているから、さすがに前年比マイナス成長になるのは間違いないと思う(ワクチンが出来るなど革新的なことが起こらない限り)。
営業利益と営業利益率の推移
営業利益は本業での利益。
この営業利益が稼げていないと本業が上手くいっていないということがわかる。
東祥の営業利益の推移は下図の通りだ。
営業利益もきれいに右肩上がりだ。
よく売上高は上がっているのに費用も増えて、利益は変わっていないという企業がある。
でも東祥は売上高に合わせて営業利益も着実に増えてきている。
2015年の営業利益が43億円だったのに対し、2020年の営業利益は約97億円と2倍以上に増加している!
さらに驚くべきことは営業利益率だ。
営業利益率は10%以上であれば優良企業だと言われている中、東祥の営業利益利益率は2015年~2020年の平均でも25%を超えている。
これはマジですごい!
東祥だけでなく、フィットネス業界全体が営業利益率が高いのかと言うとそうではない。
- コナミ(業界1位)が6%前後(フィットネス事業のみで)
- セントラル(業界2位)が約7%
- ルネサンス(業界3位)で約7~8%(20年2月期)
と業界1~3位(2020年3月現在)のフィットネス業界の企業でも営業利益率10%以下なのだ。
これを見ても東祥の営業利益率がいかにずば抜けているかがわかる。
今後についてだが、新型コロナウィルスの影響で2021年3月期の決算は間違いなく超厳しい結果になるのは間違いない。
ただ、これはフィットネス業界の企業全てに当てはまる、とビジネス小僧は思う。
これだけの優良企業だから、新型コロナウィルスが収束した後の東祥はまた復活して成長を続けてくれるとビジネス小僧は期待している。